2019年7月10日
Movable Type Premiumのススメ - (2)ワークフロー機能
こんにちは、CMSラブ♥️なディレクターの八木です。
前回に続いて、Movable Type 7.1 ベースのエンタープライズ向けディストリビューション 「Movable Type Premium(以下、MTP)」 の機能紹介をしていきます。
第2回目は、お客様からのご要望が多いワークフロー機能についてです。
弊社にご依頼いただくCMS案件で、2件に1件は要件入りする人気の?!機能、それがワークフローです。
先に 個人的に思うところを申し上げておきますと、 ウェブマスターやプロジェクトマネージャーの方が思うほどは、ワークフロー機能は 必要ない です。
導入によるメリットよりデメリットが勝る場合も多いです。
多段階の承認機能はそれ自体が書こうとする敷居をあげるから。また、承認待ちは情報の鮮度が犠牲になるから。さらには何度も差し戻していじり回すことで最初の記事が持っていた熱というか勢いのようようなものが殺されてしまうから…。
もちろん、 ワークフローが必須なサイトはあります。コンプライアンス上、厳格な承認機構が必要な組織や、外部ライターが執筆する体制の大規模メディアサイトなどです。
あなたのサイトや組織が本当にワークフローを必要とするか、是非ご一考ください。実は関係者が公開前にプレビューできればいいだけかもしれません。入れずに運用してみて、他の方法ではどうにも回らない時はじめて検討する位が丁度いいのかもしれません。
さて、ネガティブな前置きで始まりましたが これから続く記事が 「それでもワークフローが必要」となった時の参考になると嬉しいです。 ^^;
承認レベルと承認者グループ、ワークフロー利用範囲
ワークフローはその組織によって
- Aさんが書いて、Bさんが承認・公開するだけのシンプルなフロー
- 何段階もの承認を経て公開に至るフロー
- 複数人からなる承認者グループが必要
などなど様々なパターンがあります。
承認の方向も縦横あります。
縦方向:
執筆者 Aさん -> 承認 Bさん -> 最終承認者 C さん のようなフローです。
直属上長の承認と、法務部の両方が承認してはじめて公開に至るようなケースです。
横方向:
執筆者 Aさん -> 承認 Bさん あるいは Cさん (同レベルの複数承認者)
のようなフローです。複数いる承認者の誰か一人でも OK と言えば公開できる、ようなケースです。
MTPのワークフロー機能では、両方の組み合わせが可能です。また、システム上、承認ステップの上限はありません。 電子決済・承認システムで見るような超複雑なフロー はできませんが、ウェブサイト運用に必要とされる十分な柔軟性を持っています。
ワークフロー利用の有無や、誰が承認し何段階を経て公開に至るかといった承認フローのかたちは、サイト単位で設定します。
例えば、
- ウェブサイト全体でのワークフローは必要ないけれど、子サイト「IR」と「プレスリリース」だけは、各々専用の承認フローで運用したい、といった設定が可能です。
- 親子サイト間でフローの継承ができるので、ウェブサイト全体に同じワークフローを適用することが可能です。
- 寄り合い所帯(複数のウェブサイトを同じMTで運用)しているなんていう場合に、特定のサイトのみワークフローを使うことが可能です。
※通知メールや公開取り消し時の振る舞いなど、システム全体で共通の設定項目もあります。
なお、将来はわかりませんが少なくとも現バージョンでは、 コンテンツタイプごとに承認フローを違うものにするということができません。
前述の例でいうと、「IR」と「プレスリリース」がそれぞれ異なるコンテンツタイプで、お互い異なる承認フローになるのなら、サイト(MT6以前でいうウェブサイト、ブログ)を分ける必要があります。ここは運用設計上の注意点です。
ユーザの権限設定や、公開制御周り
権限設定
承認ユーザには、対象サイトに対して「すべての記事の編集」「ウェブページの管理」「コンテンツデータの管理」権限があるロールのユーザなら誰でもアサイン可能です。ワークフロー用の特殊なロールを用意したり、ユーザにそれを割り当てる必要がない点は、MTPのワークフローの良いところだと思います。
なお、システム管理者やサイト管理者権限者は、強制公開が可能な "神キャラ" です。
日時指定公開や 編集履歴のロールバック
- 承認付きで日時指定公開したり、日時指定取り下げが可能です。
- 編集履歴を確認したり、過去にロールバックできます(編集権限があるユーザ)。
記事取り下げ(非公開化)時の振る舞い指定
公開期間限定記事(日時指定取り下げ)や、最終承認者が手動で公開取り消しを行った場合に、その記事のステータスはどうなるかというと、設定画面であらかじめ選べます。
- すぐ再公開できる状態に戻る。 つまり、非公開時、「最終承認待ち」ステータス に戻る。
- ワークフローの先頭に戻る。 つまり、下書き状態に戻る。
- 「公開終了」 ステータスになる(日時指定取り消しの場合)。
承認・差し戻し処理
- 承認依頼や差し戻し行為は、記事保存時の「ステータス」で承認/差し戻しを選択することで行います。
- 申し送り事項は ワークフローコメントに書きます 。通知メールに記載されて相手に届きます。
ただし、ワークフローコメントは編集履歴には残らないようです。残るといいなと思います。
進捗確認やメール通知機能まわり
関係者への公開前 の通知手段としてワークフロー導入を検討される場合も多いようですが、Slackやメーリングリストで告知するとか他の方法はいろいろあると思うので、自分の組織の規模や属性に見合う選択肢から総合的に判断し、適切な摂取量を守って使いましょう(ネガティブ発言がくどくてすみません)。
まとめ
以上、MTPのワークフロー機能について、導入検討時に 気になるポイントを中心にご紹介しました。
次回は、記事や添付画像・ファイルの適時公開や投稿支援系の機能について紹介します。お楽しみに!
アークウェブ は、 Movable Type や Movable Type Premium を使ったCMS構築 の実績豊富です(ProNet会員)。テンプレート実装だけでなくMTのプラグイン開発に強みを持っておりますので、CMSを他システムと連携させたり、オリジナルの機能拡張にも対応可能です。是非ご相談ください。
カテゴリー: CMS・MovableType
タグ: ワークフロー , Movable Type 7 , Movable Type Premium , MT7 , MTP , WorkFlow
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