CSS Nite LP 「Google Analyticsを使ったWebアクセスログ解析とサイトへの反映」のメモ http://www.ark-web.jp/sandbox/marketing/wiki/877.html
概要 †
- CSS Nite LP 「Google Analyticsを使ったWebアクセスログ解析とサイトへの反映」
http://lp8.cssnite.jp/> 日時:2010年1月9日(土)11:00-18:00 > 場所:ベルサール神田
Google Analyticsの新機能の説明、解析レポートの見方、解析結果をサイトにどのように反映していくのか?など多岐に渡る内容でした。
Google Analytics ベーシック †
小杉 国太郎さん(グーグル株式会社)
- Google Analytics には70種類の指標と60種類のディメンションがある。
- 指標は統計数値、ディメンションは切り口属性
- Analytics のデータはウェブサイトにトラッキングコード(JavaScript)を貼り付け、そのデータを Google のセキュアサーバーに送る。
- ユニークユーザーはCookieで管理している。
- クッキー(utma)は、ドメイン・ユーザー・初回訪問・前々回訪問・前回・訪問回数を数値化したもの
- ユーザーが30分何も操作しないとセッションは終了する
- 滞在時間には離脱ページは計測できないので含まれない。ただし、直帰の場合は0秒でカウントする。
- トラフィック
「ノーリファラー」は参照情報が取得できなかったもの
参照元について、「google / organic」は通常検索。「google / referral」は通常リンク。 - 検索エンジンで表示される参照元は登録されているものだけ。たとえば、gooは検索エンジンではなく、参照サイトとして表示される。
- コンテンツ
- 「離脱率」の数値だけ見ると、どのページがよくてどのページが悪いのか把握しづらい。離脱率が低いからといってよいページとは限らない。その場合、表示形式を「比較」にすると、サイトの平均からグラフで表してくれる。
- 「サイト内検索」レポートで、サイトへの訪問者のうち、サイト内検索の利用者の割合や検索結果から訪れたユーザーの平均PV、また、再検索の割合が見られる。
- コンバージョン
- コンバージョンの「目標となるURL」と、コンバージョンの価値を決める目標値の2つを設定する。
- ネットショップの場合はサンクスページ(注文完了ページ)のURL、資料請求であれば送信完了ページ、会員獲得であれば登録完了ページのURLが目標となるURLである。
コンバージョンの目標値は、顧客との取引平均額が5万円で、成約率が10%なら5000円を目標値とする。 - 「ステップ」はコンバージョンまでの重要なURLを最大10個まで設定できる。
ステップの例)買い物かごの中身確認ページ→注文者情報入力ページ→支払方法配送先設定ページ→注文内容確認ページ→注文完了ページ(目標URL)
- 「目標の詳細」にて、「サイトの滞在時間」から時間を設定すると、設定時間を越えた滞在の場合、コンバージョンとみなす設定ができる。キャンペーンページなど、コンテンツを閲覧してもらうことを目的とする場合に行こう
- アドバンス セグメント
- データをセグメント(絞込み)して、分析精度を高める。
- カスタムレポート
- 「2PV以上で買い物かごURLに到達していないセッション」といったカスタマイズが可能
- Google Analytics の新機能
- アノテーション(メモ)
レポートにメモがつけられる機能。「メルマガを発行した日」や「販促企画を開始した日」など、指標を管理するのに楽。アノテーション機能は今月末から段階的に使用可能になる。
- インテリジェンス
アクセス数の変動があった時やコンバージョンが一定に達したときなどにメールなどでお知らせしてくれる機能。
- 非同期トラッキングコード
これまでよりも正確なアクセス解析が可能に。
- カスタム変数
個別にわかりやすい、データ名を設定可能。
- モバイルトラッキング機能
- モバイルトラッキング機能、高機能スマートフォン(iPhone、Android)、WAP(Windows Mobile、Brackberry)に対応。日本のケータイにも今後対応予定。
仮説検証型、かつ4つの対顧客戦略でデータを見る〜Google Analyticsを使った分析のあるべき流れ †
衣袋 宏美さん(株式会社クロス・フュージョン)
- 3つの解析視点「データはコンテキストの中で使う」
- 推移をみる(トレンド)
- 比較する(ベンチマーク)
- 分類してみる(セグメント化)
- 実績が上がっているけど、実際はどうなっているかわからないから過去のデータからの推移を見る。
- Google Analytics のベンチマークの機能を使う
- インテリジェンスのアラート機能で過去の数値と比較する
- 平日、休日に分けたり、同じ傾向を探す。
- セグメント軸
顧客層 - 過去購入者、ログイン・ユーザー、潜在顧客
ユーザー特性 - 直帰者、滞在時間の長いロイヤル・ユーザー、新規・リピートユーザー
閲覧履歴 - 製品情報閲覧者、人材募集コーナー閲覧者
流入タイプ - 参照元のあり・なし、検索エンジン、検索フレーズ、キャンペーン、広告 or オーガニック、TOPページ or ランディングページ
コンバージョンセッション - ユーザー登録、申し込み、購入、問い合わせ
会社経営(会計数値)、マーケティング(調査)でも同じ
- 4つの対顧客戦略(4S)
- 集客(流入)
- 接客(回遊)
- 成約(CV)
- 再訪問促進(RP)
- 集客から固定客化へ
- 集客 - 参照元から見る(What)- 訪問原因を測る(for)
- 接客 - 閲覧ページをを見る(What) - 訪問目的を見る(for)
- 成約 - 成果到達を見る(What) - 満足度を測る(for)
- 再訪問 - リピーターを見る(what) - 最大利益を出す(for)
- 訪問のきっかけ(参照元)をおおざっぱに把握する
- 参照元を「参照元なし」、「検索サイト」、「そのほかサイト」にわける
- さらに、「検索サイト」→検索フレーズ、キーワード、(有料・無料)、「サイト」→ドメイン、サブドメイン、URLに深く分ける。
- シナリオ分析
- 商品ページ→買い物かご→注文者情報入力・支払方法指定・配送先指定→注文完了など、分岐が多すぎて結局よくわからないから経路分析は困難。だからシナリオ分析をする。
- 途中の寄り道は無視して大きくつかんで、想定動線の詰まりを改善。
- Google Analytics の4つの分析
- 集客→トラフィック
- 接客→コンテンツ
- 成約→コンバージョン
- 再訪問→ユーザー
- 分析の優先度
- 4つの対顧客戦略で考える・何が重要なときか・投資対効果で考える
大内 範行さん(アユダンテ株式会社) †
「ユーザー行動をセグメント化して、サイト改善 ユーザーの行動と気持ちに寄り添うセグメンテーション分析」
- ユーザー行動をセグメント化して、サイト改善
- ユーザーの行動と気持ちに寄り添うセグメンテーション分析
- テーマは「セグメンテーション」。サイト訪問者をいい感じで分ける。
- このセッションの対象はウェブ製作者、ウェブマスター向け。サイトの向かう側の共有をする。
- ポイント
- 自分の基準を持つ
- 芯を強くする
- ユーザーに寄り添う
- GA関連機能も紹介します
- 自分の基準を持つ
- (大内さんの現場ではインテリジェンス機能とかあまり使わない)
- サッカーショップKAMOの例
- 検索キーワード18万種類
- 【設問】以下のキーワードごとの直帰率は?
- 答
- 「直帰率を改善する」は正しいか?
- その前に、なぜ1ページで帰るのか。
- 「メッシ」は「調べ物キーワード」。関連用語に身長、動画、画像、など。
- 「カスタム変数(旧 ユーザー定義)」を活用して、関連リンクの違いを調べる。
- 改善前・用語集→お手入れの仕方 624人で0円
- 改善後・用語集→商品一覧へ 184人で売上あり
- 調べ物コンテンツは長期の間接効果までみる(用語集、解説記事、企業ブログ、CSR活動など)
- →99%が用語集で認知、4割が来店、買う率は25%
- キーワードをグループに分ける
- ブランド指名買い 購買率が高い(目的実行) サッカーショップ加茂、KAMO ショップ、加茂 新宿店
- 潜在顧客 新規が多い(比較検討) サッカー用品、サッカーボール、日本代表ユニフォーム
- 調べ物 直帰率が高い(問題解決) メッシ、浦和レッズ、サッカーシューズ 手入れ
- ブランド 目的のすばやい達成 トップページの改善 1位
- 潜在顧客 比較優位性をしっかり示す LPO 2 - 10位
- 調べ物 課題の解決 関連性の強化 検索順位よりも内容
- 訪問者としっかり向き合う
- 2. 芯を強くする
- ■WWFジャパンの例
- 入り口ページ 3618種類
- 検索キーワード 4000ページ
- 会員登録・寄付・資料請求
- ネット経由の寄付が半分
- 申し込みプロセスは外部ASP
- アクセス解析の難しさ → 広すぎてわからない
- アクセス解析の目標 PV2倍とか...→施策すべきあいまいになりがちで大変
- グループワークショップでアクセス解析(実際に大内さんはワークショップで改善した
- ゴールに近づいた人でセグメント、ゴール手前でセグメント
- 「太い幹を解析せよ」
- 「ゴールまでのプロセス」を考える。
- 離脱率はそのページから離れた人なのであまり使わない。未到達率から改善点を見つける。
- ゴール手間でユーザーの背中を押す。
- サイトの芯が強くなると、
- 検討から決定までが短期間
- 他部門、社内の調整がスムーズ
- 担当者が自信を持って進められる
- 行動分析 入り口ページ キーワード
- ■紅葉館 きらくや の例
- 仮説は違うことはよくあります。私(大内さん)もアクセス解析10年やってますが、仮説は間違えます。あたるのはイチローの打率くらいです。でも、仮説は間違っていていいんです。
- アクセス解析で立てた仮説が間違っていることは多い。一つ一つの過程を検証し直していくこと大切である。
- 自分のサイトの指標と言葉で
- 「きらくや」 - リピーター・少ない手順 お得意様へのメリット・より少ない手順 滞在時間 到達ページ数
- 「磐梯熱海」 - 新規潜在顧客・比較優位性 強みの訴求・旅館の独自性 到達ページURL/到達ページ数
- 「紅葉館 きらくや」 - トラベルサイト 最後の一押し 食事、温泉の見せ方、直接予約割引 到達ページ
- 目標達成=コンバージョン
- 関連機能について
- 配布PDF参照
- ユーザーに寄り添う(キーワードごとに異なるユーザーの行動分析)
- ユーザー行動をセグメント化して改善するための10の関連ワザ(書籍宣伝:DLできる?
- トップページの改善
- ユーザーのクリックを徹底的に分析
- どこをクリック?
- 買い物に影響した?
- セグメントに分ける。
- 思いを共有すると速く進む
- 他部門・社内調整も自信をもって
- チームが成長する
- リスクの高いリニューアル < ほどよいPDCAの積み重ね
- PDCAを回せる人は実際には少ない
- PDCAを楽しめたのは、僕にとってすごい財産
- ひとりよがりではなく、チームで進むことが大事
- (サッカーショップ加茂のスタッフさんの話)
- アクセス解析で人と企業は成長できる
- キーワードグルーピングする。
- 1 ブランド指名買い(サイト名など)→目的実行→CVR高い→トップページを改善を行う
- 2 潜在顧客→比較検討している→新規が多い→LPの改善を行う
- 3 調べモノ→問題を解決したがっている→直帰率高い→関連性を強化する
石井 研二さん(株式会社HARMONY) †
「Web制作会社のための、顧客が逃げないGoogle Analyticsレポーティング ~成果アップのための解析「報告」の実践」
- 制作会社にとってのアクセス解析
- 企業担当者が会社からほめられる
- あなたが担当者からほめられる
- 提案が通りやすくなる
- 予算が出やすくなる
- コンペ負けしない(ここ大事)
- その会社が蓄積してきたものを壊さない!
- GAのベンチマークも大切だけど、私たちのベンチマークも大切
- すべてのお客様に標準的に解析環境を提供する
- ランキングだけでは何もわからない
- 「サイトグラム」の例(ハーモニーのサービスらしい)
- サイトグラム 年間12億PV
- 分析全体の直帰率 47.5%
- 半数の人は1ページしか見ずに帰っている
- ただし、2ページ以上見ている人はたくさん見ている
- (2ページ目の離脱率 8%、3ページ目 5%、4ページ目 3%、5ページ目 3%
- トップページが一番重要に思えるが間違い。個別ページが入り口になるのが大半。トップページを閲覧開始にしている人は全体の25%
- ゴールデンルートの見つけ方
- ポーラ化粧品の組織図のように、お客さま→ポーラレディ→役員という上から下の流れにする。トップページが一番下で)
- 一度に全体を把握するには、表示件数を100以上にして直帰率を見る
- (ざっと傾向みる)
- 改善につなげる解析の見所
- 上位項目に潜む問題点と下位に隠れている「長所」
- 入り口回数を大・小、誘導率を大・小に分ける。
- 改善につなげる解析の見所
- キーワードとCVRでも同じこと
- Excelを使って、「流入数」と「直帰率」で散布図を作る
- 軸が対数だと直線的になるのが、ロングテール曲線の特質
- アクセス数が多いのに直帰率の高いキーワードの改善と、成約数は多いのにアクセス数が少ないキーワードを伸ばすのが大事。
- GAから報告書作成術
- 月々の報告会、見るべきポイントは?
- ・全体像
- ・前月から改善されたポイント
- わが社のおかげで!
- ページのアクセス数向上
- 直帰率の改善
- 効果的なキーワード訪問数増加
- 効果を伸ばすためのポイント
- コンバージョンに後見するページとキーワード
- 新規を集めるキーワード
- ゴールデンルートの発見
- 次の改善すべき課題点
- 直帰率の高いページとキーワード
- サイトの問題点から目をそむけてはダメ
- 改善はチャンス
- 問題点たっぷりのレポート、お客さまに見せられない、というのが多い
- スタートが低いほど「右肩上がり」を演出できる。顧客に感動を与えられる。
- 改善点のポイントは訪問回数が多く、コンバージョンが低いところを改善する。あわせて、コンバージョンの高いところの流入数をより多くする。
- 過去のデータと比較するときには、曜日をそろえてグラフを見やすくする。
// ズレてても良い
- データの変動が見られるときの確認のため、施策メモをしっかりとる。
- 施策分野、内容、URL、リンク先URL、備考でメモを取る。
- 閲覧開始数の降順で並べ替え、増えたページに色づけ
- 集客が減っても直帰の下がったページは貴重
- 集客が増えても直帰が増えているのは無駄な施策?
- 新規ユーザー率の高いキーワードでの直帰率を抑えたい!
- その人たちに、リピーターが多く見ているコンテンツに気づかせたい
- リピーターが多く見ているコンテンツを知るのも「アドバンスセグメント」
- 「閲覧開始ページ」から入り口ルートをみつけ、効果的なコンテンツを探す
- ページ別で閲覧開始別のコンバージョン率をみると、どのページを通るとコンバージョンが高いか分かる。つまり、知らなかったゴールデンルートが分かる
- リンクは提案。電器屋の店員さん。
- 電気屋の店員が連れて行くのは商品の前まで。(一番利益の出る商品のところ)
- (魚屋さんに「今日はこういうネタが入っているけど食べる?」と聞かれると断れない
- 人間の店員さんにホームページが近づいて行く
- 経営者視点のサイトリニューアル提案
権 成俊さん(株式会社ゴンウェブコンサルティング) †
「Google Analyticsを使った経営成果の算出法」
- 1. 成果につながるユーザーのモデル化(成果につながってるのはどんな人?
- 滞在時間の長いキーワードをみつける
- 直帰は1ページだけ見た訪問者。滞在時間は0とカウントされる
- 平均滞在時間4分→10人が4分ずつ
- 平均滞在時間3分→7人は0だが3人が10分 ということもある。
- キーワードをグループ化(横浜の歯医者を例に説明)
- 審美歯科 横浜
- 審美歯科 神奈川
- ホワイトニング 神奈川
- マウスピース
- マウスピース いびき
- サイレンサー いびき
- 2. 環境調査(市場規模は?)
- 見込まれる訪問者数の最大値を把握する。
- ユーザーモデルごとにキーワード検索回数を調べ、市場規模を把握する。
- 検索回数の調べるには、「Google AdWores のキーワードツール」
- 検索結果1位の訪問率は1% - 20%。
- スモールキワード程は訪問率が高くなる。
- たとえば、月間検索回数10万回で、訪問率10%、転換率3%で、客単価5000円としたら、
10万回(検索回数)×10%(訪問率)×3%(転換率)×5000円(客単価)=150万円
という売上予測が立てられる。
- 3. コストの提示
- サイトコンテンツの企画
- ユーザーも出る別シナリオに沿ってコンテンツを検討
- それぞれの費用がどの成果に貢献しているかを理科させる
- ターゲットキーワード別にランディングページを設置
- ユーザーモデルごとに巡回しやすいコンテンツ構成
- クライアントから見た費用対効果を意識したターゲットプライスの設定
- 削られたくないコストは具体的なプロセスを提示
- 必要に応じて松竹梅(プラン)を提案
- 最後に
- 情報産業革命がビジネスを変える
- すべての企業に変革の余地あり
- 変革をもたらすのは私たちWebのプロフェッショナル