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Webサイトのアクセシビリティで裁判─商用サイトに求められる姿勢

2006年2月17日

Webサイトのアクセシビリティで裁判─商用サイトに求められる姿勢

投稿者 遠藤

ディレクターの遠藤です。

「マウスを使わなければ、注文が完了しない」。
この言葉の意味するところが、すぐに理解できますか。
ショッピングサイトを運営している方は、今一度、ご自身のサイトを見直してみてください。あなたのサイトは、マウスでクリックしなくても、買い物ができるでしょうか?

アメリカで一般の小売業者に対する訴訟が起こり、話題になっています。

ウェブサイトのアクセシビリティで裁判--米の視覚障害者が提訴
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20096310,00.htm

今、インターネットでの情報公開には、視聴覚障害者や高齢者、モバイル機器からの利用など、どのような環境からも同様に情報を得られるよう、アクセシビリティに配慮したサイト作りが強く求められています。公共性の高いWebサイトで、一般の人々が当然得られるはずの情報やサービスを、身体機能にハンデがある人に限って享受できないとなれば、それは大きな問題だ、ということです。平等に与えられるべき権利が損なわれていることになるからです。

では、一般向けの商業サイトでは、どこまでのアクセシビリティ対応が求められるのでしょうか。

商品によっては購買層(ターゲット)を絞ることもあるでしょうし、サイト運営者の側から見れば、必ずしも万人にとってアクセシブルである必要はないでしょう。しかし、障害のある人、特に外出が困難な人にとって、ショッピングサイトの役割は重要かつニーズの高いもの。インターネット上のサービスがアクセシブルであれば、障害者や高齢者の自立した生活を支えるだけの可能性とパワーを持っています。

たとえば、音声読み上げブラウザを使用する視覚障害者がショッピングサイトを訪れた際、読み上げられる文章の順序や内容が考慮されていなかったら。料金表の中身がバラバラに読まれたり、商品説明の途中で別の文章に飛んでしまったりしたら。その時点で、その視覚障害者は、自分が「無視されている」と感じるでしょう。

また、そんな“迷路”の中を探し回って、どうにかこうにか自分のほしい商品を探し出したとします。注文フォームに、必要な個数、メールアドレス、商品の送り先住所、煩雑なアンケート…などなど、すべて入力し終わってから、マウスでなければ「送信ボタン」がクリックできない“行き止まり”だったと知ったら、どうでしょう。配慮の無さから、障害者差別と捉えられても仕方がないでしょう。

今回アメリカで起きた訴訟は、まさにその事例です。たとえ今回の訴訟がどのような結果に終わったとしても、アクセシビリティへの意識が急激に高まるのは必至でしょう。今後ショッピングサイトにおいて広報やサービス以前の問題として、アクセシビリティ対応の優先度は高まるはずです。

Webサイト製作時から注意していなければアクセシビリティ上の落とし穴はいくつもあります。Webサイトの改築にはそれなりの資金や時間など投資が必要になりますが、新たにショッピングサイトを作るとき、リニューアルするときなどは、それらを見直す絶好のチャンスです。Web標準への準拠やクロスブラウザ対応などを意識することで、さらなる顧客層が開ける可能性もあります。そういったタイミングを逃さないように、アクセシブルなサイトにしていきましょう。

投稿者 遠藤 : 2006年2月17日 10:25

カテゴリー: Webアクセシビリティ

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