WAI-ARIA/Live Regionのサポート状況、利用現状 http://www.ark-web.jp/accessibility/153.html
この文書は †
- Think ITのWAI-ARIAの連載の「第2回:Ajaxの動的更新を読み上げ」を書くにあたり、Live Regionのサポート状況、利用現状について調査したものです。
- 2008年8月の状況です。
- 補足、情報の誤りなどあればご指摘をいただけますと幸いです。--志田
Live Regionに対応しているスクリーンリーダー、読み上げブラウザ †
- 調査できた範囲で、下記4つがあげられます。
- Fire VOX 4.9以降 (情報源)
- NVDA 0.6p2以降 (情報源)
- Orca GNOME 2.21.4 Development Release以降(情報源:Orca/Firefox/LiveRegions)
- JAWS 10以降(情報源)
Window-Eyesの対応状況については確認できませんでした。
ライブリージョンの動作を確認できるサイト †
- ユーザーのアクションに応じてライブリージョンが更新されるのではなく、
- Ajaxのチャットサイトのように他のユーザーによって非同期に変更されるもの
- 株価情報サイト、スポーツのスコアボード情報発信サイトのように、現実世界のイベントに応じて更新されるタイプの例
などを以下に紹介。
チャットサイト †
- ReefChatはGPLのチャットアプリケーションで
WAI-ARIAのマークアップが使われています。
株価情報サイト †
下記が上げられます。
これらのサイトは、実は「live」プロパティは使用だれていないようです。
Live Regionに対応しているいくつかのスクリーンリーダーなどは「live」プロパティがなくても要素の動的な更新を検知して読み上げることができるものがあります(参考)。
Fire VOXも、
- liveプロパティがなくても読み上げる
- liveプロパティがないと読み上げない
- まったく読み上げない
という3つの読み上げモードを切替可能です(参考)。
スクリーンリーダーのこういった機能を利用することで、上記のサイトは読み上げが可能となっています。
スポーツのスコア情報をリアルタイムに発信するサイト †
- ケーブルテレビの「ESPN」があげられます。
- しかし、ESPNのスコアボードも「live」プロパティが記述されていません。
- ですが、Orcaのサイト上で配布されているGreasemonkeyを使うことで、ESPNのサイトのマークアップに「live」プロパティを動的に付与することができます。
- このGreasemonkeyを使用すればマークアップが下記のように変更され、ライブリージョンの読み上げが可能になります。
<td id="awayRunsTotal-280903102" class="rheLine">4</td>
↓
<td id="awayRunsTotal-280903102" class="rheLine" aria-live="polite" aria-labelledby="awayteam1">4</td>
まとめ †
ライブリージョンのサポート状況は徐々に整いつつありますが、
主要サイトの利用状況はまだこれからといった状況のようです。